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剣岳 点の記

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↓以下ネタバレ多数ですので
これから小説、映画を楽しまれる方は
ご遠慮願います。

昨年の骨折事件の直前。
映画化されるとの情報を
Yukio。組長より拝聴し
文庫本を一気読みしました。

明治時代、地図の作成は
陸軍の管理のもとで進められ
測量手という多くの技術者が
携わっていました。
測量には「三角点」という基点を設置し、
相互に角度や距離を測定する
手法がとられています。
そのため日本中にはくまなく三角点が
設けられているわけですが、明治40年頃
この三角点が空白になっている
地域が残っていました。
それが立山連峰の剣岳でした。

前人未到の剣岳に挑む若く寡黙な測量手。
陸軍に先んじて初登頂を目指す
日本に発足したばかりの山岳会。
霊峰として信仰の対象となっているがため
地元からも快くは思われていない実情。
もちろん、過酷な山の天候は容赦なく襲ってくる。
命を危険にさらすことが当たり前のように
繰り返されているにもかかわらず
得られるものは微々たるもの。
時には「何のために」と自問自答することも。
しかし、その「何のために」を共有する
男達の結束は、日を追うごとに
強固になっていく。

現代社会が忘れてしまった
仕事に対する「やりがい」「信頼関係」…
言葉にしてしまうとクサく感じる
そうした物事が羨ましいくらい
全編を彩っている。
結末は、諸手をあげてのハッピーエンド
にはならない。
でも、充実感は間違い無く感じる。
特に昭和52年に著者新田次郎氏により
補填されたあとがきを読めば
読了後の満足感は相当高いものとなります。

↑ってな読後感を持って
「剣岳 点の記」上映封切日の初回上映に
並んで観覧してまいりました。
オイラ世代以上の皆さんでほぼ満席の館内。
カメラマン出身の監督がゆえでしょうか
自然がおりなす…自然でなければ「現せない」
ため息ものの映像をバックに物語が進行します。
完全な時代劇ではない明治40年という設定ですが
時代考証にも一切破綻はみられません。
出演者が実際に山に入り、実際に歩き
2年間の歳月をかけたという映像は
「CG」や「合成」に慣れてしまった目には
相当新鮮に映ります。

決して「人を呼べる」「大衆受けする」ような
映画ではありません。
しかし、日本の歴史に間違いなく存在した
このドキュメントを、映像作品として完成させて
くれたことは、山歩きが好きな一民間人として
大いに賞賛をおくりたいと強く思うのであります。

2009.06.20.ふみえみ

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

Yukio。組長

トラックバックありがとうございます。
いまだに余韻をひきずっている
ふみえみであります。

事実に基づく、事実の映像。
「僕達の仕事は合成でない撮影だと
証明することかもしれない」という
パンフレットに記載された
仲村トオル氏のコメントが
この映画の本質を如実に物語っていると
思います。

当然のように、観覧後は山に登りたくなって
しまいましたが、剣岳を目指すことは
当方の身の丈には全く合っていないなと
実感してしまったことも
偽り無い感想でございました。

投稿: ふみえみ | 2009年6月21日 (日) 20時15分

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ほんものの山で撮影した迫力の映像と、自然の美しさ。 あんな場所まで重い機材を上げ [続きを読む]

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